豆知識37
粉瘤について
顔や首、またはお尻などに、硬いシコリあるいは柔らかいできものに気づくことがありませんか?時に痛みや熱を伴って化膿します。それらのシコリは静かに数十年かけて小豆大から卵大のサイズに成長することがあります。臨床上これらは粉瘤と診断され、その正体は”ばい菌の巣”です。「悪性ではないから放っておいても大丈夫」、という医師もいますが、形成外科的には「時限爆弾を抱えているようなもの」と考えます。疲れた時、免疫力が落ちた時に炎症を起こし膿が火山のように噴火してしまうからです。なので未然に取り除いた方が賢明です。一旦爆発するとすぐには完全切除することができません。切開し、膿を出し切り炎症が収まるまで待つ必要があります。したがって体にシコリを見つけたら、まず形成外科に受診をお勧めします。そこで石灰化上皮腫・脂肪腫・線維腫・神経鞘腫などとの鑑別診断も行い、いずれの場合も小さいうちに切除します。早めの治療で身体的・精神的・経済的な負担も少なく、顔でも傷跡が目立たないように治療できるからです。
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まだ炎症していません
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腫れあがり、切開
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炎症が起こる前に切除術