夏 に 想 う 

 

  今年の5月に沖縄に出かけました。「行った人から夏になる」などと言う キャッチフレーズに心が躍らされ、その航空会社の飛行機に乗り、初夏の名古屋を後にしました。機内にはビンゴゲームや、藤原紀香との撮影会(?)もあって、熱気ムンムン。しかし、タラップを降りた瞬間感じたのは肌寒さでした。そう、沖縄のほうが涼しかったのです。本州に先駆けた1番の梅雨入りで、それからの 4日間は雨か曇り空、海に行っても全く日焼けはしませんでした。残念ながら夏にはならなかったのです。お陰で肌には良かったのですが。

  その沖縄でスキューバダイビングに行きました。エイや、海蛇などに出会いま した。しかし、肝心な珊瑚はみんな土色でした。現地の人になぜかと聞くと、去年は異常気候で沖縄に台風が寄らず、海水の活性化が遅れ、酸欠状態で、珊瑚が死んでしまったというのです。甦るには10年以上かかると言っていました。悲 しいことでしたが、台風は海の活性剤として、役に立っていることもあるんだなと考えを改めました。

 人類は台風をちらす技術を持っています。しかし、あえて使いません。それは 毎年、台風のせいで、人命や財産を失ったり損害を被ることがあるけれど、一方で恩恵を受けることも事実だからです。台風が来ない夏は干ばつに見舞われ、異常高温で死者が出たり、農畜の被害が大きくなると聞きます。

 さて、夏と言えば台風、海水浴、西瓜、盆踊り、浴衣、花火・・・。そういえば今年の矢田川花火は少なかったような気がします。春日井からもよく見えますが、写真を撮ろうと思ったら終わってしまいました。やはり不況でまだ活気が戻ってきてないでしょうか。台風のかわりになにか良い活性剤がないかとひとりで考える今日この頃です。      

                               1999年8月                      

戻る