日本国憲法を読みましょう

 

 日本国憲法について、若者に聞いてみました。

----憲法を変えたほうがいいですか?

・それは〜古いから、変えたほうがいいんじゃない?

----9条って知ってますか?

・ナニ?知らない。読んだ覚えはないよ。 

 そういう答えが返ってきても不思議ではありません。私も4、5年前までは同じレベルでした。最近、憲法を変える、変えない論争は激しさを増し、それぞれの言い分を読み、聞き、憲法を調べていくうちに、その素晴らしさに驚きました。無関心ではいられなくなったのです。今年で還暦を迎えたこの平和憲法は、益々その真骨頂を発揮するのではないでしょうか。

 私がまず言いたいのは、日本国憲法とりわけ9条は時代遅れではないということです。むしろ先駆けです。憲法は日本国民の目標、理想であって、それに近づける努力をするのは政府の責務です。それが無理なら憲法を変えるのではなくて、政府を変えるべきです。ましてや16歳、憲法を読んでいない或いは理解していない未成年に投票権を与えるのは安倍内閣(アブないかく)が票を取るための陰謀としか思えません。

 日本は第2次世界大戦から十分教訓を得ているはずです。中国やアジア諸国を侵略し、真珠湾まで奇襲しましたが、結末はご存知の通りです。軍は日本国内で何かをしてくれたでしょうか?沖縄、硫黄島の住民に自決を命令しただけではないでしょうか?サイパンに万歳岬があります。そこでも同じ悲劇が起りました。

 今の政府は、軍隊を作ろうとしています。理由は国民を守るため、テ ロと戦うため、云々。今の中東やアフリカを見れば分かるように、いろいろな紛争は武力によって解決されません。最終的には政治解決でなければなりません。戦争では軍人よりも市民の死亡数が圧倒的に多いのは、軍が市民を守るのではなく、市民が軍の犠牲になっているからです。

 なぜ今の日本にテロの恐れがあるのか、それは自衛隊がイラクに行ったからです。まだ航空自衛隊が残っているので、テロリストの標的になる可能性はあります。一日も早く撤退してほしいです。日本の安全のために。テロと戦うには軍隊は無意味です。警察やあのSAT(サッ ト)がしっかりすればいいです。

 軍隊のないままの日本でいてほしいです。そして日本が他の国の見本になって、そのうち、軍隊が地球から消え、核兵器も兵器も地球には存在しない、国境のない世界になればどんなにすばらしいことか、それが私の願いです。 

                                  2007年6月  

 

附:日本国憲法前文及び第9条                        

前文

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、 われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。 これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信 頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、 全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視し てはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、こ の法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうと する各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

第二章 戦争の放棄

第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

                         

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