災 い 転 じ て 福 と な す
先日、アメリカのベトナム帰還兵ネルソン氏の手記を読みました。彼が、帰国後小学校で戦争の体験を小学生に語ったとき、最後に、一人の少女が彼に質問しました。「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」胸を刺すような質問でした。ネルソンさんは心の中で葛藤が渦巻き、息が詰まりそうでした。長い沈黙の後、彼がつぶやきました。「YES」。目が閉じたまま、子供たちを前に目を開ける勇気がありませんでした。すると、腰の周りに小さな手に抱きしめられたような感じがしました。目を開くと、その少女が涙を溜め、自分を抱きながら見上げていました。「かわいそうなネルソンさん」
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今でも、かわいそうな“ネルソンさん”たちがたくさんいます。世界中に、イラクはもちろんのこと、中近東、アフリカ、中南米など。皆さんは"ネルソンさん”と出会いましたか?
昨年、日本では天災・人災が絶えませんでした。一文字で表すと「災」。台風や洪水、地震に津波。さらに凶悪事件、振り込め詐欺事件。地球が暴れ、世の中も乱れています。そんな中にも、心温かい人はたくさんいます。地震災害に、さらには生まれつき重病の子供に1億以上の募金が集い、生体臓器移植を可能にしました。やはり、世の中は捨てたものではありません。今年は「福」で象徴されるような一年になることを願います。
2005年1月