日 本 の 花 火

 

 数年前の夏、岐阜の金華山に登り、長良川の花火を見上げるのではなく、山頂から見下ろしました。初めての体験でした。
 また先日、洋上から熊野の花火を堪能する機会を得て、大いに楽しみました。
 地元春日井にも毎年花火納涼会があり、今年もフィナーレの連続スターマインが会場を盛り上げました。
火薬は、2000年以上前に中国で発明され、日本に伝わったのが16世紀。花火は江戸時代に初めてイギリスから持ち込まれ、それを観賞したのは徳川家康と言われています。その後、ストロンチウムやバリウムなどの彩色光剤を使い、大きさや形がどんどん進化し、現在、花火は「芸術」として人々を魅了しています。かつて日本では、死者の慰霊や悪疫退散のため、川開きに合わせて花火を上げていました。それが夏の風物詩となり、今や日本の花火は世界一と誇れるようになったのです。今回、熊野で3尺玉が海上に直径600メートルの大輪の花を咲かせ、度肝を抜かれました。
 同じ火薬でも、人間は美しい花火を打ち上げる一方、地球上で絶えない戦火となって毎日無数の犠牲者を出しています。毎年きれいな花火を求めて出かけますが、「有事事態」と言って花火が中止されることのないように祈ります。

熊野の花火

  

長良川の花火

  

 

                        2016年9月 

                           

 

 

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