当クリニックは20歳に

 

 光陰矢の如し。30代後半に春日井で最初の形成外科専門診療所を開業して、模索しながら、あっという間に20年経ちました。人間でいうと二十歳(はたち)。地域に根ざして、広く暖かく支持されたことに深く感謝を申し上げます。傷が治った、肌がきれいになった、元気になったという患者さんの笑顔を見るのはこの上ない喜びです。
振り返るとこの20年間、実に色々な事がありました。日本では東日本大震災及び原発事故、異常気候、少子高齢化、政権交代もありました。消費税は3%から8%になり、医療では患者負担金が20年前に1割だった自己負担が現在3割に、またiPS(人工多能性幹細胞)の再生技術、ガンの治療も日進月歩です。当院もその間に、移転を経て太陽光パネルと風力発電を導入し、原発に頼らない自然エネルギーの有効利用に一歩を踏み出しました。さらに、これからは免疫療法に取り組み、ガン治療の可能性を高めたい
と思っています。
 私は3・11大震災後、所属の医師会交響楽団の一員として被災地に行って慰問演奏をしました。地震、津波、原発事故で苦しむ被災地を目の当たりにして、防災の意識、安全なエネルギーの有効利用が如何に重要なのか身をもって実感しました。しかしまだ復興が遅れていることが心残りです。
 一方、世界に目を向けると、2001年にアメリカで同時多発テロが発生。その後、アフガン戦争、イラク戦争、北朝鮮の核開発、などなど、平和な生活は地域によっては当たり前ではありせんでした。しかし、ようやく朝鮮半島の南北融和、米朝首脳会談が実現されようとしています。東アジア地域の住民にとっては大変喜ばしいことです。「以和為貴」(わをもってとうとしとなす)。戦争のない世界の実現、それは私の一番の願いです。

                                   2018年7月

 

  

                           

 

 

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